1. ガイドラインについて
- 1. 1 背景
- 容器包装の識別表示は、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(以下「容器包装リサイクル法」)で定められた消費者による分別排出を容易にし、市町村の分別回収を促進する目的で、資源の有効な利用の促進に関する法律(以下「資源有効利用促進法」)の中で表示が義務化されているものです。
![]()
- 1. 2 家電製品の容器包装
- 家電製品に用いられる容器包装の多くは、複数の部品から構成される「多重容器包装」となっています。
また、製品の大きさや包装の形態も多岐にわたることから、消費者に対して混乱を与えない、わかりやすく統一性のある表示方法が求められます。本ガイドラインではこれらを考慮したうえで、識別表示の方法について説明すると共に、具体的な包装形態毎の表示事例及び主な家電製品の表示事例を添付しました。
2. 多重容器包装について
- 2. 1 廃棄のタイミング
- 家電製品に用いられる容器包装を廃棄のタイミングで見た場合、乾電池、ビデオテープなどに代表される同一の製品を複数取りまとめた集合包装(以下マルチパックと表示する)とテレビ、冷蔵庫のように1台ずつ包装される個別包装があります。これらの廃棄のタイミングは以下のように定義します。
- a.個別包装に使用される容器包装は、2.2項に記載したものを除き、すべて同一のタイミングで廃棄されるものと定義します。
- b.集合包装で次の製品に類似するものは、同一のタイミングで廃棄されるものと定義します。
容器包装が同時に廃棄されると判断される製品の例:
ビデオテープのマルチパック、乾電池のマルチパックなど
- 2. 2 廃棄のタイミングが異なる容器包装
-
廃棄のタイミングが異なる容器包装は個別表示の対象とします。
廃棄のタイミングが異なる容器包装の例:
保証書保存袋、シェーバーに付属する潤滑油容器、プリンターのカートリッジなど
3. 用語の定義
本ガイドラインで用いる用語についてはJIS-Z0108包装用語、JIS-Z0104段ボール用語に準じ、消費者に対する表現に用いる語句については、一括表示の中で定義しました。
- a.容器包装
紙、プラスチック、金属などからなり、内容品を保護したり、保存しやすくする機能を付与した材料、部品をいいます。 - b.部品
容器包装の一部を構成する個別の容器包装をいいます。 - c.個別表示
容器包装を構成する各部品毎に識別表示を行なうことをいいます。 - d.一括表示
容器包装を構成する部品が印刷、成型などの工程を持たない場合、個別表示ができないので、その代わりに表示可能な容器包装に一括して表示を行なうことが求められています。このような表示を一括表示といいます。 -
(1)全体一括表示:個別表示が省略された容器包装の構成部品のみでなく、個別表示がされている容器包装も含め、すべての容器包装の構成部品を表示した一括表示をいいます。(2)部分一括表示:個別表示が省略された容器包装の構成部品のみ、またはそれに加え、個別表示がされている容器包装の一部を除く容器包装の構成部品を表示した一括表示をいいます。
-
e.容器包装への表示に関する定義
成型:射出成型、真空成型など、金型を用いた3次元的な加工をいいます。平抜きなどの抜き打ちは含まれません。印刷:物理的制約のないラベル、捺印を含むものとします。無地:容器包装の製造・利用及び輸入販売段階で、印刷、刻印・エンボス、シール・ラベルが施されないもので、容器包装の製造段階において刻印・エンボスが可能な成型工程を持たない容器包装をいいます。
- f.複合材料
紙とプラスチックのような複数の異なる素材が、接着などの手段により、容易に分離できない材料をいいます。
4.<法定表示>識別表示の方法
4. 1 基本事項
- a.識別表示の方法は個別表示を行なうことを原則とします。
- b.一括表示は個別表示が困難な容器包装がある場合に限り行なうこととします。
- c.一括表示は、CSの観点で消費者にわかりやすい表示とするために、表示スペースが許すならば個別表示があるものも含めてすべての容器包装に関して表示した「全体一括表示」を推奨します。
- d.複合材料でできた容器包装(紙とプラスチックの貼り合わせなど)に表示するマークは、質量比率の大きな材料のマークを表示することと定められています。
4. 2 無地の容器包装の取扱い
無地の容器包装は、個別表示の対象から除外されており省略可とされていますが、他に一括表示が可能な容器包装がある場合はこれに一括表示を行なうことが必要です。
また廃棄されるタイミングが同時でない場合は、個別表示が必要ですが、無地の容器包装の場合、個別表示は不要です。
5. 包装形態別の一括表示方法
個別表示を原則としますが、やむを得ず一括表示を行なう場合は、包装形態により以下のように一括表示を行ないます。
5.1 段ボール容器包装
段ボールは識別表示を行なう容器包装の対象ではありません。しかし、家電製品における段ボール容器包装では、消費者の目に最初に触れるのが外箱の段ボール箱であることから、段ボール箱上に一括表示を行なうことを原則とします。また、この場合「段ボール」と「紙」との区分けを消費者に対して明確にするための指示文も併せ表示することを推奨します。
5.1.1 一括表示位置
- 外箱上で、廃棄時に消費者の目に触れやすい位置に表示してください。
- 消費者が容易に識別できるよう、配慮してください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合は、同一面に表示を行なうことを推奨します。
5.2 板紙容器包装
5.2.1 一括表示位置
- 外箱上で、廃棄時に消費者の目に触れやすい位置に表示してください。
- 消費者が容易に識別できるよう、配慮してください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合は、同一面に表示を行なうことを推奨します。
5.3 フィルム容器包装
フィルム容器包装は個装だけではなく集合包装にも多く使用されています。またフィルムに印刷が施される場合と無地フィルムで包装される場合とがあり、これらが組み合わされた包装も多く、消費者にわかりやすく表示を行なうことが必要です。
5.3.1 一括表示位置
a) フィルムにすべて印刷がある場合
- 外箱上で、廃棄時に消費者の目に触れやすい位置に表示してください。
- 消費者が容易に識別できるよう、配慮してください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合は、同一面に表示を行なうことを推奨します。
b) フィルムがすべて無地の場合
- 台紙などがある場合:台紙に一括表示します。
- 台紙などが無く、物理的制約のないラベルが貼られている場合:ラベルに一括表示します。
- 無地のフィルムのみの場合:表示は省略が可能です。
c) 集合包装で外装フィルム(集合包装)に印刷があり、内装フィルム(個装)が無地の場合
- 外装フィルムの消費者の目に触れやすい位置に表示してください。
- 消費者が容易に識別できるよう、配慮してください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合は、同一面に表示を行なうことを推奨します。
- 内装フィルム(無地)への表示は省略が可能です。
d) 集合包装で、外装フィルム(集合包装)が無地、内装フィルム(個装)に印刷がある場合
- 内装フィルム上で、廃棄時に消費者の目に触れやすい位置に表示してください。
- 消費者が容易に識別できるよう、配慮してください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合は、同一面に表示を行なうことを推奨します。
- 外装フィルム(無地)への表示は省略が可能です。
5.4 フィルムシュリンク容器包装
5.4.1 一括表示位置
a) シュリンクフィルムに印刷がある場合
- フィルム上で、廃棄時に消費者の目に触れやすい位置に表示してください。
- 消費者が容易に識別できるよう、配慮してください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合は、同一面に表示を行なうことを推奨します。
b) シュリンクフィルムが無地の場合
- 台紙、または物理的制約のないラベルが貼られている場合はこれに表示してください。
- いずれもない場合は表示の省略が可能です。
5.5 ブリスターパック、クラムシェル、プラスチック板容器包装
5.5.1 一括表示位置
- 台紙に一括表示をしてください。
- 台紙がなく、物理的制約のないラベルが貼られている場合はこれに表示してください。
5.6 袋容器包装
5.6.1 一括表示位置
a) 袋に印刷がある場合
- 袋上で、廃棄時に消費者の目に触れやすい位置に表示してください。
- 消費者が容易に識別できるよう、配慮してください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合は、同一面に表示を行なうことを推奨します。
b) 袋が無地の場合
- 吊り下げタブなどに表示してください。
6 一括表示を行なう際の用語の定義
識別表示を一括表示で行なう場合、包装の部品を表現するための用語は消費者に正しく理解される用語を用いる必要があります。部品を表す基本用語は以下を推奨し、工業会単位で消費者の理解しやすい用語への変更を認められており、家電業界としては以下の用語を推奨することにしました。
一括表示の場合の表示推奨用語
表示推奨用語 |
部品名称 |
|---|---|
袋 |
袋 |
箱 |
箱、スリーブ、トレイ、上板、個装箱、中箱 |
シート |
シート、保護シート |
フィルム |
フィルム、保護フィルム、シュリンクフィルム |
緩衝材 |
緩衝材 |
パック |
ブリスタ、シェル |
タブ |
タブ |
仕切り |
仕切り、保護パッキン、スペーサ |
固定材 |
リング、帯 |
台紙 |
台紙 |
一括表示は表示推奨用語を用いることを原則とし、色違いまたは同じ部品名称が複数存在し、かつ複数の材料が用いられる場合など、消費者が判断しづらい場合は、対象を表記するなど補足語(付属品箱など)を用い消費者にわかりやすい表現をすることとします。
7 表示に関する法律で定められた補足事項
容器包装識別表示マークのデザインは、製造機械などによる制約、印刷、金型による表示品質を考慮し、使用するフォント、スリット、線幅などデザインの変更が認められています。用いるマークはオリジナルを基本としますが、上記理由によるフォント、スリット、線幅の変更は、各社に委ねられています。
7.1.1 表示色
- 容器包装全体の模様、印刷面の背景、色彩と比較し、鮮明かつ消費者が容易に識別できる配色としてください。
- 環境性能表示、PL表示、製品説明、リサイクルマークなどが印刷されている場合、できるだけこれと同じ配色にしてください。
7.1.2 サイズ
- 記号:6mm以上
- 文字:6pt以上
他のデザインとのバランスを取り、ユニバーサルデザインにも配慮して、物理的制限の範囲内で消費者が容易に識別できるサイズで表示します。推奨する最小寸法は、図に示すとおりです。
<推奨寸法>

>PE< 14ポイント
7.2 刻印、エンボス、成型による表示の場合
7.2.1 表示色
特に定めません。
7.2.2 サイズ
- 記号:8mm以上
- 文字:8pt以上
刻印、エンボス、成型による表示は、マークと背景が同じ色であり、消費者にマークの存在がわかり難い傾向があります。可能な範囲で大きな表示を行なってください。推奨する最小寸法は図に示すとおりです。
<推奨寸法>

>PE< 30ポイント
8.<法律以外の補足>自主表示事項
以下は法律上の必須事項ではありませんが、各社の裁量により表示を行なってください。
8.1 材質表示との併記
海外で生産し、日本で輸入を行なっている製品など、識別表示と材質表示を併せて表示する場合、材質表示は JIS K6999(ISO11469)「プラスチック-プラスチック製品の識別及び表示」の表記方法に従い、JIS K6899-1~4で規定された材料の略語+逆不等号を識別表示の近傍に表示することを推奨します。
例)
![]()
>PS<
また複合材料の場合は、JIS K6999に基づき、素材の質量比率の大きな材料の略語にアンダーラインを引くこととします。
JIS K6999では複合材料の表示方法として、表面の材質略語を最初に記載し、2番目以降はその他の材質略語をカンマで区切って記載し(順序は任意)、質量比率が最も大きな材質の略語の下にアンダーラインを引くことと規定されています。
例)
![]()
>P,PE<
上記の例は紙とポリエチレンの複合素材で、紙が表にあり、紙に比べてPEの質量比率が大きな場合を表しています。
8.2 段ボールのリサイクル推進シンボルの表示
マークを表示する場合は、段ボールリサイクル協議会(全国段ボール工業組合連合会内)のマニュアルに従ってください。
表示位置は、他の識別マークの近傍を推奨します。
マークの表示方法は、本ガイドラインに添付した事例を参照してください。



