EDI標準化仕様

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第1章 家電業界における流通情報化への取り組み

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4. 各種EDI背景、経過、概要

4-1-1.E-VAN(家電VAN)

(1)背景

家電業界においては、業界の発展や技術の進歩にあわせて企業内・グループ内そして企業間のバッチ一括データ交換システムの利用が増大し、ますます高度になっていこうとしています。

これは、単にお互いの受発注・納品・請求・支払等の事務手続きの軽減だけでなく、正確性、迅速性といったメリットも得られるからです。

しかし、数多くの流通企業各社が独自の伝票フォーマット、独自のデータフォーマットを使用してこれを行うと、メーカーでは対応が取り切れなくなり、バッチ一括データ交換システムの進展を阻害してしまう事になります。

そこでまずチェーンストアー業界がこうしたビジネスプロトコルの標準化に積極的に取り組んだ結果、ようやくバッチ一括データ交換システムは浸透しはじめました。

(2)経過

NEBA各社ニーズを踏まえてメーカー双方の情報システムの専門家による委員会を設置して、1986年8月に制定された統一伝票E様式を基本とした『オンライン受発注フォーマットの統一』案を検討し、同年9月に第1版を作成しました。

また、1987年2月には『納品・請求・支払データ統一フォーマット』第一次検討案をまとめ、同6月に第1版(暫定)を作成、翌1988年4月にE-VANが稼働されました。

その後、業界を取巻く変化に合わせて見直し、改訂を重ね現在に至っております。

(3)概要

業界における企業間データ交換システムの在り方を明確にし、業界の共同ネットワーク(流通VAN)構築を図ります。
家電業界の共同ネットワーク構築に当たって、検討した課題と内容を列記します。

[1]家電業界共同ネットワーク構築のニーズの取り込み
  • a. 業界内の企業間データ交換を実現しやすい環境を作り、促進を図る。
  • b. 業界全体の企業間データの効率化、合理化を図る。
[2]家電業界共同ネットワーク機能
  • a. 個別企業のデータ処理を持ち込まない。
  • b. 企業間データ交換として最小限の機能にする。
  • c. データのスイッチングがベースとなる。
[3]標準ビジネスプロトコルの採用
  • a. 家電業界標準ビジネスプロトコルに準拠する。
  • b. 各社独自に利用しているネットワークプロトコルから標準ビジネスプロトコル変換は、各社のシステム内で行う。
[4]費用負担
  • a. 企業間データ交換に伴うコスト負担は、双方の負担を原則とする。
    (企業間データ交換コストとは、情報ネットワーク投資、運用コスト等になる)
[5]データ交換のための関連業務の整備と段階的システムのレベルアップ
  • a. 家電業界のシステム化の進展によって、企業間で交換されるデータ種類も幅広く広がって行くためには、各企業の関連業務と各条件を各企業で整備する。
  • b. 業界が一丸となってデータ交換システムの段階的レベルアップを図る。
[6]参加条件のオープン化
  • a. 家電製品を取り扱うすべての業種の企業を主体とし、さらには関連製品を取り扱う業界企業も参加できるオープンネットワークとする。

これらを行う事により、業界における企業間データ交換システムの標準化推進を果たし、各企業間の事務手続きの軽減・正確性・迅速性の推進が図られます。

(4)統一仕様及び運用基準
[1]授受するデータの種類
  • a. 受発注データ
    流通企業がメーカーに向けて商品注文の情報をデータで提供するものです。
  • b. 納期回答データ
    メーカーが流通企業に向けて、商品注文に対する納期に関する情報をデータで提供するものです。
  • c. 納品データ
    メーカーが商品出荷情報を流通企業にデータ活用目的に応じて商品着荷前に提供するものと、着荷後に提供するものです。
  • d. 欠品データ
    メーカーが流通企業に向けて、メーカー側で商品在庫引当て出来なかった情報をデータで提供するものです。
  • e. 納品結果データ
    流通企業がメーカーに向けて、納品後から請求・支払以前にデータとして提供するものです。
  • f. 請求データ
    メーカーが流通企業に向けて、請求書の内容情報をデータで提供するものです。
  • g. 支払データ
    流通企業がメーカーに向けて、支払通知の内容情報をデータで提供するものです。
  • h. 実売データ
    流通企業がメーカーに向けて、店舗の売上情報をデータで提供するものです。
  • i. 在庫データ
    流通企業がメーカーに向けて、店舗及びデポ(保管倉庫)在庫情報をデータで提供するものです。
  • j. 移動データ
    流通企業がメーカーに向けて、商品の店舗間移動に関する情報をデータで提供するものです。
[2]データ交換の基本条件
  • a. 統一商品コード(JANコード)の利用
  • b. 統一標準フォーマットの利用
  • c. 共通取引先コードの利用
  • d. JCA手順、全銀TCP/IPによる接続
    (VAN会社と流通企業及びメーカーとの話し合いにより別途取り決めも可である)
  • e. 統一伝票E様式の利用
[3]VANサービスの基本要件
  • a. データ蓄積交換機能

    • 送付先判定処理は、自動機能とする。
    • 未送信データの蓄積は、7日間を標準とする。
  • b. 回線接続、伝送手順及び起動方法

    • JCA手順、全銀TCP/IPは標準装備とする。
    • 接続の起動は、流通企業及びメーカーの送信又は受信側でそれぞれが行う。
    • JCA手順、全銀TCP/IP以外の接続方法については、VAN会社と流通企業及びVAN会社とメーカーとの合意により取り決めできるものとする。
      (データ送信側やデータ受信側の接続方式には影響されない)
  • c. VANサービス時間

    • サービス時間帯・・・原則として、6:00~翌日2:00
    • 年間稼動日・・・原則365日。但し、法定点検等のための所定の休止日は、流通企業及びメーカーへの事前通知を前提として認める。
  • d. 新規登録(JCA手順、全銀TCP/IP)

    • 申込契約後約1週間で、受け入れ登録を完了となる。
[4]VAN会社

JCA手順、全銀TCP/IPに準拠したVAN会社のネットワークシステムを使用する。

[5]VAN費用の取り扱い

各VAN会社から提示された料金体系に基づき処理される。
VAN費用は月次基本料金と月次変動料金とに大別されるが、月次変動料金は利用者側からVAN会社に支払うことを原則とする。

標準化内容につきましては、『第2章 E-VAN標準化内容』を参照ください。

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